【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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374:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:06:04.29 ID:uBlGke+q0

…………………………

「……くだらない」

 誰にも聞こえない声でそっと呟く。

「何が大好きよ。何が信頼しているよ」

 どうせ、そんなもの、口先だけ、上っ面だけの言葉だ。それをさも上等なもののように、よく口が回るものだ。

 手が動く。今、この場でウバイトールを呼び出すことができれば、きっと。

 その上っ面だけの言葉を引き剥がすことができる。そして、このホーピッシュを闇の位相へと誘うことができる。

「いまなら……――」



『――応援演説、ありがとうございました。続きまして、生徒会長候補、騎馬はじめさんの立候補演説です』



「っ……」

 その名前が出た途端。動かそうとしていた手が止まる。今まさに、虚空より闇のカタマリを召喚しようとしていた手が、止まったのだ。

「どうして……」

 世界を一度滅ぼした己が、なぜそんなことを躊躇う。

 今まさに、世界を闇に堕とそうとしていたというのに、それをなぜ躊躇う。

 どうして、騎馬はじめという名が、気になって仕方がないというのか。 



 ――――『私は……君と、友達になりたい』



 なぜ、あの言葉が思い起こされるのか。

 どうして、その言葉を思い浮かべた途端、頬が熱くなり、胸がドキドキと高鳴るのか。

「ッ……」

 彼女には分からない。分からなくても、事実として、彼女はそのまま、ウバイトールを呼び出すこともなく、ただ座り続けるのだった。



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