【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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373:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:05:00.48 ID:uBlGke+q0

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『応援演説、ありがとうございました。続きまして、生徒会長候補、大埜めぐみさんの立候補演説です』

 選挙管理委員の声に、とうとう来たるべき時が来たと、めぐみは立ち上がった。応援席に座るゆうき、ユキナ、有紗と目を合わせる。小さく頷く三人に微笑みを返し、めぐみは登壇する。マイクの前に立ち、そっと、小さく深呼吸。そして、めぐみは、口を開いた。

「今回、生徒会長に立候補しました、大埜めぐみです。私は、現生徒会の一員ではありません。だからきっと、生徒会長になっても、最初は戸惑って、なかなかうまくできないと思います。それでも、それを挽回することはできると思います。自信があるかと言われれば、正直なところ、私にもわかりません。でも、自分ならできるって、思えるんです。それは、今、応援演説をしてくれた三人が、『めぐみならできる』って信じてくれているからです」

 そっと、心の中の言葉を、カタチにする。少し、台本とはずれてしまうけれど、内容に変わりはないはずだから。

「私の信じる三人が、私のことを信じてくれるなら、私も、私のことが信じられる気がするんです。私なら、絶対にできるって、思えるんです」

 ゆっくりと、分かりやすく、しっかりと。何度も練習したことを思い出す。ゆっくり体育館を見渡して、心を落ち着かせる。

「そして、もうひとつ。今、こうして私の拙い演説をしっかりと聴いてくれる皆さんがいるからです。応援演説も、私の演説も、決して、皆さんにとって楽しいものではないと思います。それでも、こうやって聴いてくれる、次の生徒会長を真剣に見定めてくれようとしている、そんな皆さんがいるから、私ならできると思うんです。私は、そんな皆さんがいるこの学校が、大好きです。わたしは、この大好きな学校の生徒会長として、この学校を、もっとよりよくしていきたいと思います」

 めぐみはそっと、胸に手を当てた。思い起こされる、生徒会長に立候補してから今までのこと。短い間の出来事だったけれど、それは本当に、めぐみにとってかけがえのない時間だ。ゆうきともっと仲良くなれた。ユキナや有紗と仲良くなれた。クラスメイトとだって、たくさん話すことができた。今なら心の底から言える。生徒会長に立候補してよかった。

「ご静聴ありがとうございました。私からは以上です。どうか、大埜めぐみをよろしくお願いします」

 拍手が鳴り響く中、めぐみはゆっくりと自分の席に戻る。はじめと目が合う。はじめは拍手をしながら、にこりと微笑み、ウインクをしてくれた。キザな所作があまりにも様になっていて、めぐみはそっと微笑んで、頷いた。



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