【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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369:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:02:45.50 ID:uBlGke+q0

…………………………

 幕が開いたとき、初めてに近い壇上からの景色に、ゆうきは面食らう思いだった。中等部の生徒が一同に介した講堂は、とてつもない威圧感を持って、見下ろすゆうきを圧倒していた。

『ただいまより、第87回、ダイアナ学園中等部生徒会選挙を始めます』

 司会の選挙管理委員の声がマイクを通して響き渡る。

 ああ、手が震える。いまは座っているから大丈夫だけれど、立ったらきっと脚も震えるだろう。口がカラカラだ。ほんの少し前、めぐみから勇気をもらったばかりだというのに、緊張が身体をこわばらせる。

 それでも。やれると思った。やれると、確信があった。

(大丈夫。だってわたしは、自分のためじゃない、めぐみのために、ここにいるんだから)

『それでは、大埜めぐみさんの推薦人、王野ゆうきさん、更科ユキナさん、栗原有紗さんの応援演説です。よろしくお願いします』

 その声が響いたとき、すでにゆうきの気持ちは定まっていた。緊張はする。それでも、

 すぐ横に座る、めぐみを見る。めぐみも、ゆうきを見ていた。目を合わせたのは、ほんの数瞬の間。それでも、お互いの気持ちを確認するには十分な時間だった。ゆうきは席を立ち、ユキナと有紗を先導するように、背筋を伸ばして歩いた。演台までの距離がとても長く感じられる。それでも、ゆうきは演台の前に立ち、後ろにユキナと有紗が控える気配を感じ、落ち着いて、そっと口を開くことができた。

「大埜めぐみの推薦人、王野ゆうきです」

 ダイアナ学園の生徒たちは、静かにゆうきの言葉を聞いてくれているようだった。

「わたしは口下手で、ドジなので、あまりうまく伝えられるかわからないけど、できるだけ、大埜めぐみが……わたしの大切な友達のめぐみが、どういう人なのか、分かりやすく伝えられたらな、と思います」



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