【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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365:名無しNIPPER
2018/03/18(日) 10:00:33.93 ID:uBlGke+q0

…………………………

「生徒会選挙ねぇ……」

 掲示板に大きく張り出された、候補者告示の文字。その中に、彼のよく知る少女の名前もある。

 大埜めぐみ。

 何度も煮え湯を飲まされた相手だ。

「……蘭童。一体何を考えている」

 声に振り返る。厳めしい顔をした長身の同僚が目を眇める。

「おや、郷田先生。いらしていたんですか」

「わざとらしいことを言うな。白々しい」

 同僚もまた、掲示板を見上げた。

「職員室で他の先生方がおっしゃっていた。大埜めぐみに勝ち目はないだろう、と」

「へぇ。それはまた、なんというか……」

 彼は、めぐみたちが毎朝の挨拶運動やその他の生徒会選挙の準備をしていた様子を見ていた。彼にとって大した感慨のあることではない。ただ、彼女たちが努力をしている様を、黙って見ていただけだ。

「……不憫なものだね、プリキュアも。勝ち目のない戦いに無理矢理に引きずり出されているわけだ」

「私はそうは思わんがな」

 体育の教諭であり、高等部男子剣道部の顧問でもある同僚は、目を眇めて。

「奴は強いぞ。ひょっとすれば、ひょっとするかもしれんな」

「ふぅん。随分と優しさのプリキュアを買っているんだねぇ。ま、どちらにしろ、この学校の生徒会がどうなろうと、ぼくらには関係ないことだろう?」

「潜入している以上、潜入先の役職が変わるのなら問題だろう」

「……ああ、そうだったね。ここ最近の君は、ただの真面目くんになってしまったんだったね」

 興味は失せた。彼は同僚に背を向けて、歩き出す。

「どこへ行く」

「どこへ行くって、決まってるでしょう、郷田先生」

 振り返り、笑みを見せる。

「あの方に釘を刺されたばかりですから。真面目に、しっかりと仕事に励みにいくんですよ」

「……ふん。そうは見えぬがな」

 さりとて、彼とて仕事をしなければならないことは確かだ。生徒総会と生徒会選挙が同時に行われる今日、普段は授業で使っていて掃除ができない場所をすべて掃除しなければならないのだ。

「……ま、少しは真面目にやりますかね。べつに、掃除も嫌いではないし」



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