【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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354:名無しNIPPER[saga]
2018/03/04(日) 11:49:44.90 ID:NMs8LA5T0

…………………………

 中庭に降り立ったふたりのプリキュアを認めたとき、ダッシューは喜びに高笑いをしたい気分だった。彼が隠れているのは中庭の木の陰。プリキュアたちはここ数日のウバイトールのみとの戦いに慣れ、すぐ近くにアンリミテッドがいることを警戒していない。ウバイトールひとりにかかりきりになっているところに刃物を飛ばし、ひとりずつ確実に仕留めていく。本当ならゴドーのウバイトールも呼び出し、ゴドーとふたりがかりで当たればもっと確実だったかもしれないが、仕方ない。ゴドーがいてもいなくても、作戦の成功率にそう影響はない。

「ふふ。これで終わりだよ、プリキュア」

 ――決して、ダッシューの目が曇っていたわけではないだろう。

 それは、誰にも想像できることではなかったのだ。

「あんたちの都合は知らないけどね!」

「いい加減、頭に来てるんだから!」

「は……?」

「正義のヒーローにだって!」

「プライベートはある!」

 それは、悪夢を見ているような光景だった。

 正義のために戦う誇り高き戦士プリキュアが、怒りに身を任せ、ふたり同時の正拳突きをウバイトールに放ち、屋上を越え、ウバイトールを校舎裏まで吹き飛ばすなんて誰に想像できただろうか。

「……うそだろう」

 さしたる感慨も見せず、プリキュアたちは校舎裏へと飛ぶ。さっさと、ウバイトールを片付けようという義務感しか見られないその行動に、ダッシューは人知れず身震いした。

「……違う。ぼくたちは、プリキュアを疲れさせて追い詰めていたんじゃない」

 そこでダッシューは、ようやく己の失策を知った。

「ウバイトールを効率的に倒す方法を奴らに教えてしまっただけなんだ」




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