【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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33:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:38:45.77 ID:3zYuh2uB0

「で、でも!」

「うるさいニコね! “弱虫ブレイ” のくせに口答えするなニコ!」

 フレンは必死になっていた。ブレイのことを馬鹿にしてでも、嫌われてでも、ブレイを助けたいと思っているのだろう。

 けれど、

「――ああそうグリ! ブレイは弱虫グリ! “弱虫ブレイ” グリ!」

「!」

 ブレイの言葉に、フレンが身を震わせる。

「フレンに弱虫って呼ばれるのが嫌だったグリ。勇気の国の王子のくせに、いつもいつも情けなくて、とてもとても嫌だったんだグリ」

「…………」

「でも、だから変わりたいグリ! ブレイは! 本当の……本物の、“未来へ導く勇気の王子” になりたいグリ!」

「っ……だったら! だったら、今は逃げて、伝説の戦士を見つけるニコ! そうすれば――」



「――フレンを置いて逃げて! それのどこに勇気があるグリ!」



 ブレイがフレンの手をつかんだ。

「絶対に離さないグリ! それでも捕まりたいっていうんなら、ブレイも一緒に捕まってやるグリ!」

「……っ、ばか! ブレイのバカ! 馬鹿ブレイ! 大馬鹿ブレイ!」

 どうやら一件落着したようだ。フレンは大声でブレイを罵りながら、けれどどこか嬉しそうだ。

 しかしまだ脅威が去ったわけではない、ゆうきは生け垣の隙間から道路の様子をうかがった。

 幸いにしてまだ電柱の怪物は見えない。しかし、代わりにとんでもないものが見えた。

「うそ……!?」

 驚いたなんてものじゃない。世界の意地悪! と叫んでしまいたいくらいだった。


 道路には、何かを探すように周りを見回す、めぐみの姿が見えたのだ。


 もう、何を考えている暇もなかった。

「ブレイ! フレン! あなたたちは先に逃げていて!」

 ふたりにそう告げると、ゆうきは生け垣から飛び出した。


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