【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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318:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 22:29:42.05 ID:LVapeV8q0

…………………………

 目覚めると、目の前には心配そうな顔をしたブレイとフレンがいた。パチリと目を開けたラブリに対し、ふたりはバツが悪そうな顔をして、目を逸らした。

「……ラブリ」

「……何レプ」

 最初に口を開いたのは優しさの王女、フレンだった。

「さっきは悪かったニコ。言い過ぎたニコ。全然優しくない言い方をしてしまったニコ。だから、ごめんなさいニコ」

「…………」

 ラブリの無言をどう受け取ったのだろうか。フレンはそれだけ言うと、目線を落とした。

「ラブリ、ブレイも悪かったグリ」

 続いて口を開いたのはブレイだ。

「ラブリのことを分かっていたのに、口に出すことができなかったグリ。怖くて口をつぐんでしまったグリ。ブレイに勇気があれば、もっとうまくできていたかもしれないグリ。だから、ごめんなさいグリ」

 ラブリは、本当の本当に、心の底から驚いていた。

「……すごいレプ。ブレイとフレンが、プリキュアを生み出すことができた理由がわかった気がするレプ」

「ニコ……?」

 だからラブリは、その気持ちに逆らわず、従った。立ち上がり、頭を深く深く、下げた。

「申し訳ないことをしたレプ。ラブリは、ふたりに助けられたというのに、それを認めたくないから、あんなひどいことを言ってしまったレプ。ふたりが謝る必要なんてないレプ。ラブリが悪かったレプ。ごめんなさいレプ」

 そのラブリの行動に、ふたりが呆気に取られていることが、なんとなく伝わってきた。恐る恐る頭を上げると、やはりふたりは、開いた口が塞がらないとばかりに、あんぐりと口を開けて、まるで見たことのない光景を見つめるかのように、不気味そうにラブリを見つめていた。

「あ、あの高慢ちきなラブリが……」

「自分の非を認めて謝ったグリ……」

「わ、悪かったレプね。どうせラブリは高慢ちきな王女レプ」

 むくれてみせるが、すぐに頬は緩んでしまう。ともすれば悪口になってしまうような言葉が、どこかくすぐったかった。ふたりと、仲良くなれるような気がしたからだ。

「……ラブリ。ラブリさえよければ、フレンたちと一緒にいるニコ」

「そうするといいグリ。愛のプリキュアは、ブレイたちと一緒に探すグリ」

「……ああ。そうさせてもらうレプ。よろしくお願いしますレプ」

 ラブリはふたりの申し出にもう一度頭を下げた。自分のちゃちなプライドより何より、失われたロイヤリティを救い出すことが何より大事だと痛感したからだ。

 ぐぅ〜、と。

「あっ……」

 盛大な音が響く。その音のは、ラブリのお腹から発せられていた。

「……あの完ぺき超人のラブリが」

「腹の虫をならしたグリ」

「う、うるさいレプ! ラブリだっておなかくらい空くレプ!」

 まだ、どこかぎくしゃくはするけれど、それでも。

「ゆうき〜! めぐみ〜! ラブリが起きたグリ! 紹介するグリ!」

 きっとうまくいく。そんな、ラブリらしくない確証もない希望が、心地よかった。



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