【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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29:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:34:16.15 ID:3zYuh2uB0

「それで? どこに逃げたらいいの?」

「そうニコね……どうしたらいいニコ、ブレイ」

「そ、そんなの分からないグリ……」

 震えは収まったようだが、ブレイはまだ伏し目がちだ。

「でも……あ、あの、ゆうき? ひとつだけ聞きたいことがあるグリ」

「なぁに?」

「ブレイは、勇気がある人を探しているグリ。心当たり、ないグリ?」

「勇気のある人?」

 勇気。よく知っている言葉だが、実際に使うとなると話は別だ。ゆうきは平和な女子中学生。勇気なんて言葉、日常で聞くことすら希だ。

「うーん……よく分からないけど……」

 少なくともわたしは当てはまらないね、と。先ほどの事を思い出しての自虐は、心の中でだけにする。

「勇気のあるひとを見つけて、どうするの?」

「それはもちろん、ロイヤリティを救ってもらうグリ!」

「ロイヤリティ?」

 そういえば、さっきもフレンがそんな言葉を使っていたような気がする。

「うん……ブレイたちの住んでいた世界のことグリ。ロイヤリティ、光溢れる、ブレイたちの楽園グリ……」

「住んでいた? それって……」

「……滅ぼされたニコ」

 ブレイの言葉を継ぐように、フレンが口を開いた。

「奴らの、手によって……」

「奴ら……?」

 ――噂をすれば影がさす。

「っあ……」

 ゾワリ、と。身体の中の何かがずれたような、得たいの知れない感覚がゆうきを襲った。

 何かが、来る。



「そんなところに隠れていたか、勇気の王子、そして優しさの王女」


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