【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/18(日) 19:19:06.79 ID:nI3CgSSH0
…………………………
夢を見ていた。どこから夢なのか、分からないけれど、夢を見ていた。
気の強そうな女の子にプレゼントを奪い取られて、巨大な怪物が現れて、そして、そこからよく覚えていない。ただ、うつろな意識の中で、姉によく似たお姉さんが、自分を抱えて戦ってくれていたのを見た。優しくて、頼もしくて、大好きな姉にそっくりで、夢の中だと分かっていたけれど、ともえは嬉しかった。
ああ、自分はお姉ちゃんのことが大好きなのだと。
そして、お姉ちゃんはきっとこんな風に自分を守ってくれるだろうと。
そう、思えたから。
少し昔の夢も見た。
きっと自分がまだ小学校にも上がっていないような頃の思い出だ。
姉が買ってもらった髪留めがうらやましくて、ともえはワガママを言ったのだ。
『あたしもほしい! おねえちゃん、ちょうだい!』
姉は困ったような顔をして、少しためらいはしたものの、ともえの髪にその髪留めをつけてくれたのだ。
大切にしていた髪留めは、小さい頃、姉からもらったものだった。
今の今まで忘れていた、そんな記憶が、夢の中に現れたのだ。
「ん……」
夢から覚めて、まどろみの中で、ともえは温かい何かにくっついていた。誰かの背中だ。ともえは、誰かにおぶさっている。
「あの、大埜さん、ほんとにごめんね」
「そんなに何度も謝らなくていいわよ」
ふたりの声が聞こえた。姉と、姉の友達の声だ。ああ、そうか、とまどろみの中で気づく。ともえは、ゆうきにおぶってもらっているのだ。
「それより、せっかく名前で呼んでくれたのに、また戻ってる」
「えっ? あっ……」
じれったい会話だと思う。そのまま、姉に甘えて眠ってしまおうとしていたというのに、だんだんと意識が覚醒に向かっていく。
「ご、ごめん……」
「どうして謝るのか分からないけど……」めぐみは笑うような声だ。「わたしとしては、親友なら、ゆうきに名前で呼んでほしいかな」
「ほんと!? いいの!?」
がばっと姉が動く。まぶしいのを我慢してそろりと目を開けると、ゆうきがめぐみの手を取っていた。姉は人付き合いもそこまで器用ではないだろうに、こういうところは大胆というか、何も考えていないのだ。
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