【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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258:名無しNIPPER[saga]
2018/02/11(日) 18:27:17.62 ID:Vt5kauhK0

…………………………

「それ、返して!」

 ゴドーが手に取ったものを見て、ともえは反射的にそう言っていた。

「それは大事なものなんだから、返して!」

「はぁ? いやよ。嫌に決まってるでしょ」

 対するゴドーは、ともえの必死な様子も素知らぬ顔だ。

「これはあたしが手に入れたの。もうあたしのものよ。返してほしいなら、力尽くで奪い返すことね!」

 そして、にやりと悪辣な笑みを浮かべる。

「出でよ、ウバイトール!」

 いけない、と思った瞬間には、めぐみはともえを連れてゴドーとは反対方向に走り出していた。暗く染まる空から何かが落ちてくる。それは、欲望の闇の塊だ。

「めぐみさん!」

「ダメよ! 今は逃げるの。アレは、常識の通じる相手じゃないの!」

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 背後で、悪辣なる欲望の化身が生まれる声がした。

「でも、あれはお姉ちゃんからもらった、大事なものなんです!」

「王野さんから……?」

 ともえはまっすぐめぐみに訴えかけるような目をしていた。

「そう……。いま思い出した。わたし、あれ……お姉ちゃんからもらったんです!」

「わかったわ。絶対に取り戻しましょう。でも、今は……」

 なんとしても取り戻さなければならないだろう。しかし、まずはともえを逃がすことが最優先だ。めぐみは心を鬼にして、ともえの手を引き、走った。

「逃がさないわよ! 行っちゃいなさい、ウバイトール!」

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 雄叫びと共に、大きく橋が揺れる。次の瞬間、上空から目の前に巨大なウバイトールが現れる。ひとっ飛びでめぐみとともえを飛び越えたのだ。

 可愛らしい髪飾りを模したウバイトール。それは、その外見と雰囲気のギャップから、めぐみにはとてつもなく醜悪なものだと思えた。

「っ……」



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