【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/02/11(日) 18:17:19.21 ID:Vt5kauhK0
…………………………
世界は欲望に満ちている。
「……うざいうざいうざいうざい!!!」
欲望とは、何も『あれをしたい』『あれが欲しい』といった単純なことだけを指すのではない。
何かをしたくない。何かを消してしまいたい。そういった想いもまた、欲望となりえるのだ。
「うるさいぞ、ゴドー。少しは静かにできないのか」
床に寝そべり、まるで駄々っ子のように騒がしいゴドーをいさめるのはゴーダーツの役目だ。
「うっさい! 何をするかなんて、あたしの勝手でしょ!」
「その勝手とやらが、俺の迷惑になっているのだ。理解しろ」
「うっさい!」
とりつく島がない。会話をしようという気すらないのだろう。
「……仕方がない」
ゴーダーツは合理主義者だ。己の欲望を達成することができないなら、他の方法を探し実行する。ゴドーが騒ぐことをやめないのなら、ゴーダーツが別の場所へ移ればいいだけの話だ。
「くだらん……」
「待ちなさいよ」 剣を提げ、腰を上げたゴーダーツを引き留める声。ゴドーだ。「どこに行くのよ」
「どこであろうと俺の勝手だ」
「……ねえ、ゴーダーツ」
「何だ」
これを最後の会話にしようと心に決めて、ゴーダーツはゴドーに背を向けたまま応じた。そうしてしまったのは、自分を呼ぶゴドーの声に、普段の彼女らしからぬ弱さが垣間見えたからだ。
「プリキュアって、何なの? あいつらはどうして王子たちを守るの?」
「…………」
ゴーダーツは黙したまま、そっと振り返った。ゴドーは起き上がり、真剣な顔をしていた。
「あいつらからは何の欲望も感じられなかった。自分のために何かをしようとしているのではないのよ。あんなの……信じられない」
「……そうだな」
世界は欲望に満ちている。それはアンリミテッドに限った話ではない。ゴーダーツはダッシューやゴドーに先んじて、ホーピッシュにてロイヤリティの生き残りを捜していたから分かる。プリキュアたちが住まうあの世界もまた、欲望に満ちているのだ。あそこに住まう人間たちも、自分たちアンリミテッドに勝るとも劣らないほどの欲望を、それぞれの心のうちに秘めているのだ。
そしてきっと、プリキュアたちもまたその心の内に欲望を持っているはずなのだ。
「奴らは王子たちを利用して何かをしようとか、そういう考えは持っていないようだ。ただ純粋に王子たちを守りたいのだろう」
「……意味わかんない。何それ」
不機嫌そうなゴドーの声。そう言われたところで、ゴーダーツにも分からない。
「さぁな。とにかく、我々とは考え方が根本から違うのだろう」
ゴーダーツはそれだけ言うと、さっさと歩き出した。ゴドーの言葉は真剣そのものであったし、憂慮すべきことでもあったが、今のゴーダーツは何より己に目を向けていた。
(もっと強くならねば……俺は、一度、完膚なきまでにプリキュアに敗れているのだから)
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