【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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232:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:21:11.36 ID:KQnxmm/50

 ユキナと名乗った小柄な女の子は、かなりミーハーな性格のようだ。その元気いっぱいの自己紹介に、他の子たちも続いた。

「初めまして。栗原有紗です」

「どうも、初めまして。大埜めぐみです」

「ご丁寧にどうも。私はここのオーナーの小紋ひなぎく。適当に呼んでね」

 彼女は自己紹介もそこそこに、四人を席に座らせて、自分はカウンターの向こうへと引っ込んだ。

「今日はサービスしちゃおうかしら。紅茶でいい?」

「やたっ! ありがとうございます!」

 年頃の少女たちの笑顔に、彼女も嬉しくなる。さっき自分でいれた紅茶で舌を潤し、四人のための紅茶の用意を始める。

「……でも、大埜さんも水くさいなぁ。推薦者だっけ? そんなの、一言くれればすぐに了承したのに」

 ふと耳に入ったのは、四人の話す声。朗々と響くやや男らしい声は、有紗のものだ。

「いきなり廊下に呼び出されたかと思えば、今にも死にそうなくらい緊張した大埜さんが待っているときたもんだ。あのときは驚いたなぁ」

「し、仕方ないじゃない……だって、断られたらって思ったら、怖かったんだもの」

「断らないよー! 大埜さん、あたしたちの演技、しっかり見ててくれたじゃん。だから、今度はあたしたちが大埜さんのお手伝いをしてあげるの」

 ユキナが朗らかに応える。

「……うん、ありがと」

 きっと、あのめぐみという子はあまり友達づきあいが得意ではないのだろう。けれど、お礼を言ったその口は少しゆるんでいて、嬉しく思っていることは誰にだって分かる。

「よーし!」 と、ゆうきが気合いに満ちた声をあげた。「ともあれ、みんなでがんばって、大埜さんを生徒会長にするぞー!」

「「おー!!」」

「……お、おー」

 めぐみ本人はとても恥ずかしそうだ。

(……希望に満ちている)

 この世界は常に希望に満ちあふれている。その希望は、消えることはない。

 ゆうきたちのような人間が、次から次へと希望を作り出しているからだ。

(けれど、私は……)

 あまりにもまぶしすぎる。

 暗闇に慣れすぎてしまった、自分には。

 光り輝きすぎて、目が潰れてしまいそうなくらい。

 この世界の人々は、まぶしすぎる。



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