【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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223:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:14:47.43 ID:KQnxmm/50

「騎馬さんに何をしたの!?」

「騎馬……? ああ、こいつ? そういえばそんな風に名乗ってたかしらね」

「何をしたのかと聞いてるの!」

「べつに。うるさいし不快だったから眠ってもらったってだけのことよ」

 少女はなんでもないことのように言う。人一人に危害を加えておいて、それを何とも思っていないのだ。それがゆうきには信じられなかった。

「さて、そんなことはどうでもいいじゃない。ねえ、勇気の王子と優しさの王女?」

 まるで幼子に語りかけるような声色。けれど、そこに浮かぶのは侮蔑という悪意だけだ。

「聞き分けの悪い王族は臣民に嫌われますわよ? どうか、このゴドーめに紋章をお渡しくださいな」

「ふっ……ふざけるなグリ! その臣民は、お前たちが奪ったグリ! みんなを……みんなを返せグリ!」

「ふふっ……ムキになっちゃって、ばっかみたいっ」

 ゴドーと名乗った欲望の戦士は、唾棄するように言葉を吐く。

「あんたたち王族って、そんなだからダメなのよ。そんなだから、あたしたちアンリミテッドに負けたのよ」

「グリ……」

 涙ながらに、みんなを返せと叫ぶブレイ。ゴドーは、そんなブレイの言葉すら意に介してはいない。

「おとなしく、紋章を渡しなさい。それは、誰も何も守れなかったあんたたち無能な王族ではなく、あたしみたいな強い欲望を持つ者こそ、持つに相応しいものだわ」

 自分たちが奪ったものの大きさを理解していない。自分たちが何をしたのかすら、もしかしたら分かっていないのかもしれない。

 ゆうきはたまらず、口を開いた。

「ねえ、あなた! ゴドーさん!」

「何かしら?」

 ゴドーの邪気を含む目がゆうきに向けられる。

「あなたたちアンリミテッドが何をしたのか分かってるの? あなたは、ブレイとフレンの大切なものをたくさん奪ったんだよ? そんなひどいことをしておいて、ブレイにまたそんなひどいことを言うの?」

「はぁ? あんた何言ってんの?」

 ゴドーは不快そうに顔を歪めた。

「馬鹿も休み休み言いなさいよ。あたしはアンリミテッドの戦士なのよ? 自分の欲望にしか従わない。そんなあたしに、あんたは何を求めてるわけ?」

 くだらないとばかりに吐き捨てるゴドーに、ゆうきはようやく踏ん切りがついた。



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