【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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213:名無しNIPPER[saga]
2018/02/04(日) 10:07:01.50 ID:KQnxmm/50

…………………………

「……すまない、ひとつお聞きしたいんだが」

「はい?」

 2年A組教室前。彼女は教室から出てきた長身の生徒にそう話しかけた。

「大埜めぐみさんを探しているんだ。教室にいるだろうか?」

「大埜さん? えーっと……」 律儀に教室の中を見回してから、その生徒はかぶりを振った。「ううん。いないみたいだ」

「そうか。……どこに行ったか分からないかな?」

「うーん、この時間なら、もしかしたら――」

「――あっ、それならあたし知ってるー!」

 と、違う生徒が割り込んでくる。小柄な身体に短い髪。みるからに活発そうな外見に、人なつっこそうな笑みを浮かべている。

「ゆうきったら、最近は大埜さんにべったりだからねー! ちょっと妬いちゃうね!」

「ユキナ。人の会話に割り込むんじゃない。それから、割り込むならせめて相手様に有益な情報をもたらしてくれ」

 長身の生徒が、小柄な生徒を漫才のようにたしなめる。

「なにさー、有紗。今のどこが有益じゃないっていうのよー」

「有益も何も今のじゃ何も分からないだろう」

 有紗とユキナという名には聞き覚えがある。なるほど、と納得する。これが校内で少なからず有名な演劇部の凸凹コンビか。

「すまない。大埜めぐみさんのいる場所を知っているなら教えてもらえるだろうか」

「ああ、ごめんごめん。大埜さんなら、たぶん屋上にいると思うよ。最近は、昼休みにそこで昼食を取っていることが多いんだ」

 結局答えたのは長身の生徒だ。小柄な生徒はその態度にブウ垂れるような顔をしている。

「なにさー、有紗ー! せっかくあたしが言おうとしてたのにぃー!」

「言おうとしてなかったじゃないか」

 いつまでも見ていたいような愉快な二人組だが、そうしているわけにもいかない。

「ありがとう。では、屋上に行ってみるよ」

 彼女は短くふたりにそう告げると、きびすを返し屋上へと続く階段を目指した。



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