【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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20:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:25:11.36 ID:3zYuh2uB0

………………

「どうかしたの?」

「えっ?」

 資料室。誉田先生に頼まれたのは、結構な量の資料整理だった。

「眠いの?」

 訝しげな顔で自分を見つめるめぐみの顔に、ゆうきはなんと返したらいいものか分からなかった。

 いらなくなった書類をファイルから取り出し、束ね、ファイルは回収箱に放り込む。その単純作業の繰り返し。眠くなるような作業だとは思ったが、まだ昼間。さすがに眠くはない。

 と、いうより、自分はそんなにも眠たげな顔をしていたのだろうか。

「えっと……ごめん、ちょっとボーッとしてた」

「そう。気をつけてね」

「あ、うん。ごめんなさい」

 ゆうきは手先があまり器用ではない。ファイリングされた資料の中にはかなり古いものもあって、なかなか取り外せないこともしばしばあった。

 それに比べて、めぐみはどんな書類もすいすいファイルから外していた。捨てる書類が、めぐみの傍らにこれでもかというほど整然と積み上がっている。

「……はぁ」

 作業を再開しためぐみのキリリと整った横顔を見つめつつ思う。すごいなぁ、と。学級委員が決まり、他の役員決めの段になった折、ゆうきはめぐみの本領を見せつけられたような気分だった。

 HRを仕切る能力とでもいうのだろうか、みんなをまとめ、クラスメイトをどんどん係や委員に配置していく。

 HR後、わざわざ誉田先生が褒めたくらい、めぐみの学級委員ぶりはすさまじかった。それに比べて自分は、と、また暗澹たる気持ちになる。

「……あっ」

 そんな詮無いことを考えていたからだろう。もしくは、またボーッとしていたのだろう。回収箱に放ったファイルが、めぐみの積み上げていた書類の山にぶつかった。しまった、と思ったときにはもう遅い。積み上げられた書類の山は、音を立てて崩れ落ちた。

「あ、あわわわわ……」

「…………」

 混乱するゆうきをよそに、めぐみはさして慌てる様子もなく崩れた書類を直しはじめた。それを見て、ゆうきもようやく我に返り、焦ってそれに手を貸そうとする。

 それもいけなかった。

「わっ……わわっ」

「…………」

 めぐみの視線と沈黙が痛い。

 ゆうきは慌てて立ち上がろうとした拍子に、自分の書類の山も倒してしまったのだ。


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