【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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141:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:40:03.82 ID:eQRkBpc+0

…………………………

「まぁ、深く考えても仕方ないよ。それに、まだお話が終わってないしね」

 しょぼくれるブレイとフレンに、ゆうきがそっと声をかけた。

「話……?」 首をかしげるめぐみだったが、すぐに察してくれたようだった。「ああ……フレン」

「ニコ?」

「さっき、ブレイに言いかけてたこと、言っちゃいなさい」

「ニコ!? 今さら言うニコ!?」

「もちろん。あなた、今言えなかったら一生言えないでしょ?」

「ニコぉ……」

「グリ?」

 フレンが渋々といった様子でブレイに向き直る。ブレイは不思議そうな顔で、そんなフレンを見つめる。

「……ブレイ。フレンは、ブレイに言いたいことがあるニコ」

「グリ?」

「……いつも、弱虫とか、臆病とか、悪口を言ってごめんなさいニコ」

「グリ?」

 きょとんと目を丸くしたブレイだったが、その直後に目を驚愕の色に染めて飛び上がった。

「グリぃぃいいいいいいいいいいいい!?」

「ニコ!? 驚かせないでほしいニコ!!」

「グリ!! フレンが謝った!? フレンが!?」

「う、うるさいニコ! 少し静かにするニコ!!」

「フレンが!! フレンが!!」

「だからうるさいニコ!! 弱虫ブレイ!!」

 騒ぎ回るブレイに、それを追いかけ回すフレン。やかましい光景だが、思わず微笑んでしまうくらい温かい。

「……また弱虫って言ってるし」

「でも、まぁ……悪意がないなら、ねぇ? 素直じゃない大埜さん?」

「そうね。天然でドジな王野さん?」

 ぐぬぬと視線をぶつけ合って、すぐさま笑い合う。友達同士、言っていいことと悪いことの判断くらい、簡単にできるのだ。

「グリ!! 素直じゃなくて優しくないフレンが!! ブレイに謝ったグリ!! 大変グリ!! 明日は雨が降るグリ!!」

「だからうるさぁあああああああああああああいニコ!!!」

 まだまだ、分からないことだらけだ。けれど、ブレイとフレンの気持ちはわかったし、ふたりのわだかまりを少しだけ解消することができた。だから、今はそれだけでいいだろう。

(光の世界ロイヤリティと、闇の欲望アンリミテッド……ふたつの間に、一体何があったんだろう……)

 答えはでない。ゆうきにはまだまだ分からないことばかりだ。

 それでも、今はこの気持ちだけで十分だろう。

 目の前のかけがえのない、小さな王子と姫を守りたいという気持ちだけで。

 そんな簡単な気持ちだけで、伝説の戦士を続けられる、そんな気がするのだ。



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