【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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120:名無しNIPPER[saga]
2018/01/14(日) 17:15:22.68 ID:eQRkBpc+0

「ブレイ、ブレイ。しっかりして」

「グリっ」

 ゆうきがブレイを揺すると、ようやくブレイは我に返ったようだった。かと思えばすぐに泣き出して、ゆうきを困らせる。

「グリぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「ち、ちょっとブレイ? 一体どうしたっていうの?」

「フレンがぁ〜〜〜フレンがいじめるグリぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「わかった! わかったからちょっと静かにして!」

 中庭に人影がないとはいえ、いつ誰がやってくるか分かったものではない。ゆうきは慌ててブレイをあやしはじめるが、ブレイは一向に泣き止もうとしない。

「フレン! ブレイに何をしたの!」

「何もしてないニコ。ちょっとからかって遊んでただけニコ」

「そういうのを何かしたって言うの!」

 フレンはめぐみの腕の中でそしらぬ顔。それ以上何を言っても意味はなさそうだ。

「まったくもう……あなたたちはどうしてそんなに仲が悪いの?」


「……べつに。仲が悪くなんてないニコ」

「グリ……」

 少し言いよどむように、フレンがそっぽを向いて呟く。ブレイも泣き疲れたのかピタリと泣き止み、フレンと逆方向を向く。少しおかしな雰囲気に、ゆうきとめぐみが顔を見合わせる。

 これではまるで、フレンとブレイが本当に仲が悪いみたいではないか。

「ブレイ……?」

「フレン?」

 世界はままならない。人と人の間には溝があって、それはどんなに仲がよくなろうと、変わらずそれは横たわっている。目を背けるフレン、目を伏せるブレイ、そのふたりの思うこと、考えること、それはゆうきとめぐみにはわからない。わかりようがない。人は、目と目で想いすべてが通じ合うほど便利にはできていないのだ。

「…………」

 けれど、それでも、だからこそ。ゆうきは思うのだ。

(わたし……もっとブレイとフレンのこと、知らなくちゃいけないんだ)



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