9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:29:14.56 ID:nZJI/gt30
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結局課題は手につかなかった。
先生には落胆された。
友達は増えた。
鞠莉「単純なものね」
カフェでコーヒーをすすりながら独り言。
授業中にもたつく私を、クラスメイトは誰も笑わなかった。
それどころか休み時間に近寄ってきて、「マリーって人間だったのね。ロボットかと思ってたわ」などと宣ったのだ。
ピコピコと音を立てて光る携帯電話に、Hi, Mary の文字を認め、口から息が漏れた。
鞠莉「ほんとは鞠莉なのよ」
画面を消し、席を立つ。
帰って課題をこなして、クラスメイトに連絡を返して、明日はまた学校に行って。
鞠莉「あの頃と同じね」
なんだか懐かしい気分だった。
果南とダイヤと、3人で過ごしていたあの頃と似た気分だ。
もちろん、密度は全然違うのだけれど。
鞠莉「でも、同じなのよ」
脳裏に紫の影が差す。
どうしてもあの瞳を思い出してしまう。
―――何のためにここまで来たの?
あの一言が胸につかえる。
鞠莉「同じなら、どこでも一緒なんだったら、日本でだってよかったじゃない」
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