鞠莉(16)「留学してそろそろ半年ね……」
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9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:29:14.56 ID:nZJI/gt30


   *




結局課題は手につかなかった。

先生には落胆された。

友達は増えた。


鞠莉「単純なものね」

カフェでコーヒーをすすりながら独り言。

授業中にもたつく私を、クラスメイトは誰も笑わなかった。

それどころか休み時間に近寄ってきて、「マリーって人間だったのね。ロボットかと思ってたわ」などと宣ったのだ。


ピコピコと音を立てて光る携帯電話に、Hi, Mary の文字を認め、口から息が漏れた。

鞠莉「ほんとは鞠莉なのよ」

画面を消し、席を立つ。

帰って課題をこなして、クラスメイトに連絡を返して、明日はまた学校に行って。

鞠莉「あの頃と同じね」


なんだか懐かしい気分だった。

果南とダイヤと、3人で過ごしていたあの頃と似た気分だ。

もちろん、密度は全然違うのだけれど。


鞠莉「でも、同じなのよ」

脳裏に紫の影が差す。

どうしてもあの瞳を思い出してしまう。

―――何のためにここまで来たの?

あの一言が胸につかえる。


鞠莉「同じなら、どこでも一緒なんだったら、日本でだってよかったじゃない」




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