鞠莉(16)「留学してそろそろ半年ね……」
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46:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 13:01:21.23 ID:nZJI/gt30


鞠莉「……」

鞠莉「――――歌?」

大勢の靴の音に紛れて、微かに音が聞こえてきた。


鞠莉「そう、歌だわ。それと、ピアノも……」

不思議と懐かしい歌だった。

最近聞いた気もするし、ずっと前に聞いたことがあるような気もした。


鞠莉「エントランスの方から……?」

ふらふら、引き寄せられるようにして進んでいく。

なんだか自分が虫にでもなった気分だった。


鞠莉「もう、終わりがけみたい」

それは埃をかぶったような、暖かい音だった。

一音一音、懐かしむように、微笑むように音符が波になって連なっていく。


束の間の空白、ぱらぱら拍手の音がする。終わったんだ。


鞠莉「……」


解散した人のあいだを縫うようにして歩く。

思い出した。

これは、ダイヤが教えてくれた歌だった。

だったら、歌っているのは……。



鞠莉「……真姫さん」


真姫「あら、目が覚めたのね。とは言っても、あなたが寝ていたのはたったの半日だけど」




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