2:名無しNIPPER[saga]
2017/12/16(土) 12:24:13.94 ID:nZJI/gt30
「お嬢様、こちらへ」
鞠莉「……」
再びバッグが重くなる。
出たわね、諸悪の根源。
ちらちらと高級車を横目に校門を出ていく「級友」を眺めながら、ため息をつく。
これでは悪目立ちだと何度も言っているのに。
きっと週明けにはあけすけな悪口大会が始まるに違いない。
鞠莉「陰湿じゃないだけまだマシかしら」
「何かおっしゃいましたか?」
鞠莉「別に」
「今日はお父様もご出席のパーティーでございます。なんでも日系企業の社長も来られるとか」
鞠莉「じゃあ日本でやればいいのに」
「お嬢様」
窘めるような口調の運転手を睨みつけてやる。
おかげでどんな高校生活を送ることになっているかも知らないくせに。
鞠莉「ああ、そうそう、途中で郵便局に寄ってくれない? 便箋が欲しいのよ」
「それくらいなら私どもでご準備いたしますが、またですか」
鞠莉「いいでしょ、それくらい」
「もちろんでございます」
鞠莉「ありがと、出すのは自分でやるから」
ぽっかりと口を開けた車の中に滑り込む。
いいわよ、もう。パーティーでもどこでも、好きなところに連れて行けばいいじゃない。
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