93: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 01:16:37.02 ID:Qezuh/qr0
―― 熊本上空 ブリッツェンのソリ
座敷がまた加速した。
まずい。このままじゃ追いつくなんて夢のまた夢だぞ!
「頼むブリッツェン、頑張ってくれ! あんなうさんくせー畳張りに負けちゃ駄目だ!」
「ブモオッ!!」
ブリッツェンにも意地はある。四つの脚を踏ん張り、火のような咆哮を上げた!
それとほとんど同時に、空中に何かが放り出された。
「ん? あれは……」
一升瓶らしい。
向こうの座敷から放り出されたようだ。
口からこぼれる雫が、きらきら輝いていた。
「……親方! 空から焼酎が!!」
ゆるやかな放物線は、こちらが進む軌道と重なって。
それはトナカイと焼酎の、まさに運命的な衝突針路……。
くる、くる、くる――と瓶は周り、
そのままブリッツェンの口に、
がぽっ。
んごっ、んごっ、んごっ、んごっ、んごっ、んごっ…………っくん。
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