52: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2017/12/16(土) 00:47:16.71 ID:Qezuh/qr0
次の日の朝、ホテルに真っ黒い高級車が来た。
迎えに出た俺と周子以外みんなびっくりしていた。フロントの人も、たまたま早起きして居合わせた美穂も。
車が止まる。瀟洒な燕尾服のおじさまが運転席から出て、後部座席のドアを開き――
「――プロデューサーちゃま、周子さん! 頼まれていた品、お持ち致しましたわ!」
「も、桃華ちゃんっ!?」
「やっほーい桃華ちゃん。ごめんねぇ朝早くから色々お願いしちゃって」
「ごきげんよう、美穂さん、周子さん。こちらこそ、ほんのご挨拶しかできないこと、どうかお許しくださいまし」
「え、そ、それはいいんだけど、でもどうして急に……?」
「プロデューサーちゃまに頼まれましたの。一般の郵送ではどうしても遅くなってしまうので、大至急と……」
言って、優雅な所作で車を降りる桃華。
その手には、俺が「大至急」と言った品物の紙袋がしっかり提げられてある。
流石は桃華だ。昨日の今日で色々済ませてここまで飛んできたなんて……。
「ありがとう桃華。本当に助かったよ」
「お気になさらず。自家用ジェットを使いましたので、空港の手配にいささか手間取りましたけれど……」
「……ちなみにこの車って自前?」
「いえ? 飛行機に車は積めませんので、VIP専用の高級レンタカーを使いましたわ。ご存知ありませんの?」
「普通知らねぇ」
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