【モバマス】十年後もお互いに独身だったら結婚する約束の比奈と(元)P
1- 20
12: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2017/12/18(月) 18:59:42.25 ID:6NOdCaNR0
 比奈たちと別れてテレビ局での仕事を終え、スタジオの楽屋に戻った川島瑞樹の携帯電話に、メールの着信を知らせる表示があった。

 送信者は心だった。瑞樹は携帯電話を取ると、メールを表示する。

「さっきの誕生会で二人のときに言いそびれたんですけど、リミットまで波乱もなにもないってことはないですね。ライバルがいます。それは」

 そのあとに続いた名前を見て、瑞樹は目を細める。

「そりゃ、そーよね……わかるわ。てか知ってたわ、それも。ふふ……ゲームやアニメならともかく、現実ってもっともっとたくさん人間関係があって、複雑なのよね。さあて、どうなっちゃうのかしら」

 誰もいない楽屋のなか、瑞樹は携帯電話を見つめて、やれやれ、と呟いた。


----------


「――はい、もしもし」

「あの、突然電話して、ごめんなさい」

「いや、いいけど、どうした?」

 元担当プロデューサーとはいえ、アイドルが一般人に電話をかけるのは、よほどの事態だ。

「その……」電話の向こうの声は一瞬だけ迷ったような声を出し、続ける。「再来月の七日……」

 電話の声はそこで迷うように止まった。
 頭の中で日付を検索する。六月七日。思い当たることがひとつある。

「私、オトナになるんですよ。お酒も呑めるようになります。……ずっとずっと前、約束したの、覚えてますか? オトナのお酒、教えてください!」

 こんどは、はっきりとした意志と、それから勇気を感じる声だった。

 六月七日は、佐々木千枝の二十歳の誕生日だ。



つづく



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
49Res/69.99 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice