名前はきっとスマイリー
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 20:28:11.05 ID:bHIAf+4c0

 魔法少女は全部で三人いた。
 それぞれピンクのスター、イエローのサンダー、スカイブルーのウィンドという名前だった。
 色はたんにイメージカラーというものらしく、名前とは関係ないとのことだった。
 彼女たちによれば、
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/12/14(木) 22:07:10.15 ID:bHIAf+4c0

 その日の朝、めずらしく三人は僕よりも早く起きて、朝ご飯の支度をしていた。
 いや、たぶんそんなことは初めてだっただろう。
 それまでは僕が先に起きて、僕がかかさず朝ご飯を四人分作っていたのだから。


14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:12:54.54 ID:bHIAf+4c0

「おはよう!」
 と三人の魔法少女が口々に言ってきた。
 共同スペースには、特に魔法の気配は感じられなかった。
 ごくふつうの、朝の台所の風景のように見えた。


15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:18:43.68 ID:bHIAf+4c0

 僕はあっけにとられて何を見るともなく見、朝ご飯のいい匂いを鼻から取り入れていた。
 しばらくしてやっと、おはよう、と彼女たちに言うことができた。
 僕らは四人揃って食堂にひとつだけあるテーブルに向かった。
 こんなことも初めてだった。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:24:12.80 ID:bHIAf+4c0

「そういえばさ」
 とスターが僕に言った。

「名前、なんていうの?」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:29:53.52 ID:bHIAf+4c0

「たしかにね。気にしたこともなかったな」
 とサンダーが何とはなしに言った。

「そうだね、知っておきたいかも」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:36:05.47 ID:bHIAf+4c0

 でも僕はひとつだけ、これかもしれないな、という名前を返事として言った。
 三人は口をポカンと開けたかと思うと、そのままうれしいような切ないような、とにかく奇妙な表情をした。

「なんだか、イメージとだいぶ違うね」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:40:49.23 ID:bHIAf+4c0

「イメージと違うっていうか、イメージ不足ってカンジじゃない?」
 と、同じくイエローの気配がまるでないサンダーが言った。
 そうかな、と僕が言うと、サンダーとウィンドの二人がうんうんと肯いた。

以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:44:15.46 ID:bHIAf+4c0
「でも、とってもすてきな名前だと思うな。大事にしなきゃね」
 とスターが奇妙な表情で僕に言った。

「そうよ、名前ってとっても大切なものなんだから」

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:52:15.23 ID:bHIAf+4c0

 それから後、彼女たちがここに戻ってくることはなかった。
 まるで不思議な魔法がかけられたかのように、アトリエにはなんだか常と相容れぬ落ち着かない空気と、僕の身体が取り残された。

 もしかするとあの奇妙な表情は、僕との別れのしるしだったのかもしれない。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[sage saga]
2017/12/14(木) 22:57:34.79 ID:bHIAf+4c0

 ふと、テーブルにのった炊飯器の上に手紙のようなものが置いてあるのに気がついた。
 手に取り、折り目を開いてみると、真っ白な紙に黒いペンでこう書かれていた。


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