152: ◆DbWk4vc3J.[saga]
2017/12/23(土) 22:54:25.88 ID:DJB5nuYw0
ちょうどその時です。
「す、すみません部長!……って、和?」
部屋に飛び込んできた須賀君は、ただ一人取り残された私を見て首を傾げます。
その視線はチラチラと私の胸を向いていて、少しいやらしいです。
でも今は、そんなことはどうでもいい。
「あの、須賀君。言いたいことが……」
「どうした?なんか悪いことしたか?」
「いえ、そういうのではなく……」
いざ彼を目の前にすると、思うように言葉が出てこなくなりました。
言いたいことが喉元で引っかかっては、落ちていく。そんなことを幾度となく繰り返し、やっと言えた言葉は。
「私、須賀君のことが―――」
―――好きです。たった四文字、並べるだけなのに。誰だってできるような、簡単なことなのに。
今の私には、それが途轍もなく難しいことのように思えてしまいました。
「俺が?よくわからないけど、早く帰ろうぜ。もう暗いし、家の前まで送ってくよ」
押し黙った私を見るに見かねて、彼は気を利かせてくれます。
折角用意した告白も最後まで言えず、頭に上っていた血がすっと引いていきました。
でも今は彼の優しさが、ただただ嬉しくて。
私が恋した王子様。
ちょっぴりスケベで、気が利いて、
鈍感すぎる人でした。
カンッ
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