【咲-Saki-】求めあうしおるねSS【旧白糸台】
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◆Xk..svTef9j1
[saga]
2017/12/12(火) 22:17:41.87 ID:roXtyUv90
琉音「……あと、いつまで撮ってんだ。いい加減カメラ向けるのやめろ」
照「……?」
栞「もういいよ。報酬はあとでね」
照「はい、それじゃあ」
宮永さんからカメラを回収し、私も教室を出ます。
先を行くるねさんを小走りに追いかけて、横に並びます。
しかし、並んで歩かせてはもらえませんでした。
耳まで顔を赤くしたるねさんは、私が横に並ぶと歩調を速め、さっと一歩前に出てしまいます。
仕方がないので、半歩後ろを歩きます。
すると後方から宮永さんが追いついて来て、小声で言いました。
照「渡辺さん、怒ってる……?」
栞「ううん。平気。あれは怒ってるわけじゃないから」
照「? 本当……?」
栞「本当。宮永さんは何も心配しなくていいからね」
彼女を安心させようと頭を撫でていると、前方を行くるねさんがこちらを振り返り、私を睨みつけていました。
そしてそのまま何も言わず、ふいと前に向き直り、ひとりでさっさと歩いて行ってしまいます。
……今のはもしかすると、妬いてもらえたのでしょうか。
栞「……ふふ」
照「宇野沢さん、安心したらお腹空いた」
栞「休憩時間まで我慢してね」
宮永さんに同感です。私も、気が抜けたら急にお腹が空いてきました。
少々暴走してしまったせいで危うくすべてを失うところでしたが、終わってみれば私の望むものはすべて手に入りました。
手に入れたもの、それは、るねさんの唇、盗撮動画、デートの約束……。
本当はもう一つ、るねさんからもはっきりと気持ちを口にして欲しかったという願望もありますが、それはまた今度にとっておきましょう。
宮永さんの手を取り、るねさんを追いかけます。
追いついてきた私たちを見て、彼女は拗ねたように顔を背けてしまいました。
そんな仕草もまた愛おしく、私はやはりるねさんのことが大好きなのだと、改めて思ったのでした。
槓
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