【咲-Saki-】求めあうしおるねSS【旧白糸台】
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16: ◆Xk..svTef9j1[saga]
2017/12/12(火) 22:15:11.46 ID:roXtyUv90

栞「あの、るねさん……私本当に……」

琉音「……言えよ」

栞「え?」

 すん、と鼻を啜りながら、るねさんが呟きます。

琉音「言えよ、さっきのあれ……」

栞「あの、何を……?」

琉音「さっき、ちゅーのあとになんか言おうとしただろ、あれ、最後まで言えよ……」

 すでに激情は去っているようですが、涙でぐずぐずになった弱々しい目元から、不思議と強い怒気を感じます。
 
栞「えっと、なんのことでしょう……」

 鋭い視線に射すくめられ話を逸らそうとしますが、るねさんは見逃してはくれませんでした。

琉音「とぼけんなよ。『るねさんのことが』なんちゃらって、言いかけただろうが。私のことが何なんだよ、はっきりしろよ」

栞「えっと、それは……」

 数分前のあのテンションなら告白なんて余裕だったのですが、今の状況では非常につらいものがあります。

 ごにょごにょと誤魔化しの言葉を探していると、るねさんがカツアゲでもするような調子で凄みます。

琉音「言えよ……! 大事なことだろうが、あ?」

栞「ア、ハイ……エット」

琉音「もっとでかい声で!」

栞「ハイ、ア、ハイ! あっ、あの! 私、るねさんのことが好きだからちゅーしました! すんませんした!」

 思い切り頭を下げます。上げます。すると、るねさんは私を見て赤面し、ふるふると震えていました。

琉音「……! おま……っ! わっけわかんねぇ! なんでちゅーの前にそれ言わねぇんだよ!」

栞「はい! はい、ほんと、 仰る通りなんですけど……! なんか私、気持ちが高ぶってしまって、ほんと、ごめんなさい……!」

琉音「ったく……そういうことなら早く言えってんだ……」

 るねさんはブレザーを羽織り、教室の入り口へと歩いて行きます。



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