イヴ・サンタクロース「高峯のあの事件簿・プレゼント/フォー/ユー」
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◆ty.IaxZULXr/
[saga]
2017/12/12(火) 21:29:22.04 ID:8PMV4OlW0
18
大型ショッピングモール・1階・ペットショップ入口付近
橘ありす「ここからは外も見られませんし、出られません。見張りもずっといます」
橘ありす
人質の一人。安全だとわかったのか、雪乃に冷静に状況を伝えてくれる。
雪乃「あそこにはずっとあの方が?」
ありす「はい。ダッシャーと呼ばれていました」
雪乃「あの方がダッシャー……」
ありす「向こうの手芸店にいるのがダンサーです。上からエスカレーターで降りて来た筋肉質で大きな人がドンダーです」
雪乃「出口の見張りをしているのは、ずっと同じトナカイですの?」
ありす「他のことは何もしてないです。たまに交替しますけど、短い時間です」
雪乃「よく観察していますわね」
ありす「ずっと見ていると怒られますよ」
雪乃「後ろを向いてますわ」
ありす「何故か、気づくんです。ほら、今も」
雪乃「不思議な人ですわね。橘さんは、こちらで何を」
ありす「タブレットとケータイを没収されてしまったので、暇つぶしをしています。動物の観察です」
雪乃「トナカイさん達を、ですわね」
ありす「それもですが、ペットショップにいる動物もです」
雪乃「橘さんはどうして人質に?」
ありす「逃げようとしたら、ブリッツェンというトナカイに止められました」
雪乃「何か理由は言っていましたか?」
ありす「君達はあまり怖がってなさそうだから、とか」
雪乃「そうなのですか、確かに橘さんは落ち着いてますわね」
ありす「……恥ずかしいんですけれど、最初はずっと怖かったです。態度にも出ていたと思います」
雪乃「なら、どうして」
ありす「多分ですが、小春さんが怖がっていなかったからだと考えてます」
雪乃「小春さんというのは一緒に来たお友達ですわね」
ありす「はい。小春さんの感じてることは私には深くはわかりません」
雪乃「小春さんはどちらに」
ありす「ペットショップの奥にいます。危ないので出口に近いここにいることにしています」
雪乃「わかりましたわ。私からもお話を聞いてみますわね」
ありす「お願いします。あの、相原さん」
雪乃「どうしました?お飲み物くらいならご用意できますわ」
ありす「先ほど見かけたのですが、トナカイは話してくれるんですか?」
雪乃「理由はわかりませんが、人質を無碍に扱っていませんわ」
ありす「わかりました。話してくれそうなトナカイを探してみます」
雪乃「疑ったり、嫌悪を向けたらきっと気づきますわ。だから、世間話だけにしてくださいな」
ありす「わかってます」
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