周子「あたしの魔法使いさん」
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2: ◆ukgSfceGys[saga]
2017/12/12(火) 01:05:50.33 ID:80fZfBBj0

――暗くなった事務所
あれほど賑やかに開催された誕生日パーティの熱ももうすっかり冷めてしまっている。
にも関わらず今日の主役であるあたしは1人ポツンと手持ち無沙汰にしていた。

こうして待ち続けてどれくらい経ったのだろうか?
もうそろそろ時計の長針と短針が真上を向いて重なり合おうとした時に一人の男がやっとあたしの前に現れた。

「――遅れて本当にすまない!」

男は目の前に現れるなり平謝りしだした。

一切言い訳をせずに謝罪から始めたことには一定の評価をしよう。

そしてまるで100m走の後のように肩で息をして、冬なのに汗だくな姿をみれば、全速力で間に合わせてきたこともわかる。

またそんな状態なのに謝罪したまま頭を上げない姿勢や仕事でも見たことがない申し訳なさ漂う雰囲気を見れば、彼の心中は自ずとも察することができる。

ただ、折角の今日という日なのにその手に荷物が全く見当たらないのはどうなのさ?


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