( ^ω^)戦車道史秘話ヒストリア!のようです
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5: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/12/10(日) 08:51:53.73 ID:PKdtpdnT0
僕が振り向いた先には、少女が一人立っている。

ハイヒールであることを加味すれば、身長の程は150cmに届くか届かないかぐらいだろうか。決して高いとは言い難いが、引き締まった四肢と大人びた立ち姿がその事を感じさせない。紺のロングパンツに冬物のジャケット、白いタートルネックのインナーという些かボーイッシュな出で立ちも、その印象に拍車をかける。

腰まで届く銀髪が風に靡き、流れる。この場に腕の良いカメラマンがいれば、そのままファッション雑誌の表紙をかざる一枚ができあがりだ。

“美少女を描いてごらん”という問題にもしも模範解答が存在するなら、或いは彼女の姿を描くことがそれにあたるのかも知れない。

とはいえ、僕が返事ができなかったのはその少女に見とれていたからでは──だいたい僕にはシュールな言動の大切な人がいる──ない。もっと別のことに、驚いていたからだ。

「…………ねぇちょっと、だから私は貴方に声をかけたわけだけど?」

ぱっちりと大きく、つり上がり気味の勝ち気な金色の瞳がすっと細くなる。声に、反応できずにいた僕に対する苛立ちが微かに現れる。

「素通りとかなら却って納得するけれど、わざわざ反応した上でのシカトというのは礼を失しすぎているんじゃないかしら?

それとも耳元で、鼓膜がぶち破れるまで大声で叫ばないと聞こえないクチ?」

(;^ω^)「………あー、申し訳ありませんお。大丈夫、僕の耳は正常です」

なんだろう、彼女の今の言葉の端に、“その程度のことはいつでもやっている”ような自然な響きがあったのは気のせいだろうか。

( ^ω^)「お答えする前に一応の確認なんですが…………大変失礼ながら、貴女は僕が以前会った叢雲さんだったりしますかお?」

「あら」

僕の問いに、少女───特型駆逐艦五番艦の【叢雲】さんは一瞬眼を見開き、拳を口元に当ててクスリと笑った。

「貴方とは初対面だけど……確かに私は叢雲よ。

他の“叢雲”に会ったことが?」

( ^ω^)「大洗鎮守府や横須賀司令府に所属していた方と、それぞれ一回ずつ顔をあわせる機会があったんですお」

「それはまた、後輩がお世話になったわ。でも、だとしたら私服はどのみち初めての筈なのによく解ったわね」

( ^ω^)「職業柄、人間観察は得意なモノで」



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