( ^ω^)戦車道史秘話ヒストリア!のようです
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12: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/12/10(日) 09:12:10.32 ID:PKdtpdnT0
中須賀エミ。

西住さんが九州でまだ小学生だった頃に、初めて“戦車道”関連で出来た友達の一人。

まぁこれは武部さんからの又聞きで、更に言えば僕は「そんな友達が今はドイツにいるらしい」という話を聞いたに過ぎない。つい先日までは、僕はその少女の名前も顔も知らなかった。

そう、“つい先日”、その中須賀エミさんをテレビ画面越しに見るまでは。

『………………エミ、ちゃん?』

混迷を極めるヨーロッパの状況を特集していた、お昼のニュース。学食備え付けテレビの大画面に一瞬映された、赤い髪の少女。

周囲の人々同様“軍服”に身を包んだ東洋風の顔立ちをしたその子を目にした瞬間、西住さんは卒倒して保健室へと運ばれた。

あの、絶望に濡れた声は。この世の終わりを迎えたような呆然とした表情は。

未だにその場に居合わせた僕の目と耳から離れてくれない。

「………あやは心配しすぎよ〜。隊長は、強い人だもの。あんまり心配するのも失礼よ?」

「………そりゃ、そうだけどさ」

( ^ω^)「……」

確かに、西住さんはとても強い人だと思う。復帰した後の彼女の言動も、一見するといつも通りだ。

ただ、それでも彼女はまだ学生だ。ようやく17歳になったばかりの、高校二年生の子供なのだ。友達が軍隊に入って死線の只中にある事実を、平然と受け止められるような年齢ではない。

そう、理解はしているのに。

( ^ω^)「………っ」

少なくとも僕には、教師として彼女にかけられる言葉も役に立てる力も持ち合わせていない。

ソレがなんとも、歯痒い。


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