66: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/14(木) 06:56:47.45 ID:3WL1s/2Yo
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自らの浅はかさが招いた結果とはいえ思わぬ赤っ恥を掻いた百合子。
彼女が呼び出しを受けたプロデューサーの家を訪ねた時、
目にしたのは袋入りのマシュマロをもぐもぐと頬張る春閣下、そして彼女を胡座の上に乗せたPヘッド男の姿だった。
予想だにしていない現場に出くわして、思わず言葉に詰まった百合子に春香が言う。
「なにを呆けた顔をしておるか。……それとも、余がここに居るのが不思議かの?」
いえいえそんな滅相も無い! と、百合子は大げさな動作で頭を振る。
どちらかと言えば春香がこの場にいたことより、彼女が男を玉座代わりにしていることの方が気になったが……。
聡い百合子は二つに折れたテーブルや、部屋の隅で膨らんでいる真新しいゴミ袋を見て何があったかを把握した。
どことなく怯えた様子のプロデューサーを見るにしても、気まぐれな女王閣下がひと暴れしたのは明らか。
しかも、である。目の前の春香は未だご機嫌を取り戻してはいない。
なぜなら百合子の体はダイニングに一歩踏み入れた途端に指先一つピクリとも、
凍りついたように動かせなくなってしまっていたからだ。……金縛り。
春香がマシュマロを飲み込んで、百合子にニコリと微笑んだ。
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