2:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 04:57:58.14 ID:28NWgp390
ノパ听) 言っても言ってもきりがないなー
真っ赤な私の髪の毛は、いつだって注目の的だった。両親は染めても良いと言ってくれるが、私はこの赤毛が好きだ。馬鹿にされても、これを黒くしようとは思わない。
3:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 04:58:57.46 ID:28NWgp390
黒い格好のブサイクが現れたのは、ちょうど小学四年生になったころ。まだ私が苛められるのに慣れていなかった時だ。
学校からの帰り道。夕焼けを浴びながら歩いていると、自分の赤毛を連想してしまい、その日同級生から投げかけられた言葉を思い出してしまった。ふっと涙がこぼれて、私は慌てて近くの公園にあるトイレへ逃げ込んだ。
4:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 04:59:40.64 ID:28NWgp390
ノハ;凵G) 変態ブサイクは私に何か用?
(;'A`) 最悪の組み合わせ方をしたな……
5:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:00:27.21 ID:28NWgp390
「素直さんさ、話しかけるのやめてくれる? 正直迷惑なんだよね」
ノパ听) え?
6:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:01:13.25 ID:28NWgp390
「素直、お前どうして髪を黒く染めないんだ。他の子はみんな黒いだろう」
ノパ听) 先生、これは地毛なんです
7:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:01:59.53 ID:28NWgp390
「やーい、赤毛のヒート!」
「お前、鼻毛なんかも赤いんだろ。ずっと鼻血が出てんのかー!」
8:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:02:27.24 ID:28NWgp390
苛められたり、からかわれたり、理不尽な目にあったり。そんなことがあると、必ずドクオは自殺するよう私を煽った。自称死神との会話は気晴らしになり、結果的に私を愉快な気持ちにした。
(;'A`) あれー、なんで絶望しないの? 早く死んでもらわないと次の担当に行けないんだけど……
9:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:03:02.68 ID:28NWgp390
そして現在。六年生になった今でも、私は自殺などしていない。それどころか、赤毛を理由にする苛めにも耐性ができていた。
ノパ听) クラス替えがあるたびにこれだもんなー、もー!
10:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:03:41.18 ID:28NWgp390
実のところ、私はドクオが憑りつくまでは自殺を考えていた。今となっては大げさだったと思う。しかし真っ赤な髪の毛は、それを考えるほどに私の人生を犯していた。
両親とも違う。同級生とも違う。独りぼっちになる理由。例え黒く染めても、一生変わることのない事実。それを好きになったのは、ドクオの言葉が切っ掛けだった。
11:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 05:04:23.80 ID:28NWgp390
ドクオと出会った帰り道、夕日が落ちる寸前で、辺りは赤と黒が混じり合っていた。
('A`) 自殺ってのはいいぞ。その疎ましい赤毛ともおさらばできる!
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