ムーディ勝山に受け流されたものたちが暮らしている街
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名無しNIPPER
[saga]
2017/12/13(水) 21:42:27.66 ID:heOFNSiD0
ムーディ勝山は、私の右手を取る。
「僕は、まだやれるかな」
「まだまだやれるさ」
「僕のことを、まだ覚えていてくれているのかな」
「もう一度思い出させてやればいい」
「僕は、もう誰にも忘れられたくないんだ」
「大丈夫。私がいる。
お前のかつての相方の、私がお前を覚えている。
私が大声で叫んでやる。
ここにムーディ勝山がいるんだ、
ここに私たちがいるんだ、って」
ムーディ勝山の頬を一筋の涙が伝う。
「君が初めてこの街に来たとき、
村長だった僕は、やたらと笑っていただろう?
嬉しかったんだ。僕は。
君が迎えに来てくれたことが、本当に」
行こう、と私たちは頷き合う。
そして走り始める。
右へ。
右へ。
受け流されるものに逆らって、
ただひたすら、右へ、右へ、
私たちは走り続ける。
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