ムーディ勝山に受け流されたものたちが暮らしている街
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74:名無しNIPPER[saga]
2017/12/13(水) 21:42:27.66 ID:heOFNSiD0

 ムーディ勝山は、私の右手を取る。

「僕は、まだやれるかな」

「まだまだやれるさ」

「僕のことを、まだ覚えていてくれているのかな」

「もう一度思い出させてやればいい」

「僕は、もう誰にも忘れられたくないんだ」

「大丈夫。私がいる。
 お前のかつての相方の、私がお前を覚えている。
 私が大声で叫んでやる。
 ここにムーディ勝山がいるんだ、
 ここに私たちがいるんだ、って」

 ムーディ勝山の頬を一筋の涙が伝う。

「君が初めてこの街に来たとき、
 村長だった僕は、やたらと笑っていただろう?
 嬉しかったんだ。僕は。
 君が迎えに来てくれたことが、本当に」

 行こう、と私たちは頷き合う。

 そして走り始める。

 右へ。
 右へ。
 受け流されるものに逆らって、
 ただひたすら、右へ、右へ、
 私たちは走り続ける。


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