ムーディ勝山に受け流されたものたちが暮らしている街
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18:名無しNIPPER[saga]
2017/12/05(火) 22:32:37.09 ID:oGGqqfyD0

「そうだな、それが調査によって
 明らかとなったことだ」

「あなたのそれが"調査"なら、
 散歩が趣味の老人たちは今頃みな名探偵ですよ」

「ぬぐぅ」
 返す言葉がない。
 確かに調査とは名ばかりで、
 私は連日連夜暇を持て余して
 街を徘徊しているのみである。
 
 まずはここからと図書館に訪れてはみたのだが、
 私の望むこの街の歴史書やムーディ勝山の正体に迫る学術論文などは一切なく、
 ただ中古書籍が乱雑に書棚に収まっているだけであった。

 とりあえずと星新一の「地球から来た男」を借り、
 私の調査は手がかりを失う。

「しかし、そうは思わないか?
 例えば、街路樹の種類。
 路地に入った時の家の並び。
 遠くに見える工場の煙突の数。
 夕方に影を指す山の配置。
 そういった細かい点が、
 少しずつ変わっていっている気がするのだ」


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