青空坂上 〜卒業するまで、しゃっぽーしようね!〜
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9:中村千歳 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2017/12/04(月) 22:44:44.72 ID:LYe2U+Pd0
「ご乗車ありがとうございました24条1丁目地上線入口です桜十字路方面はお乗り換えですお忘れ物の無いようご注意ください」
 本郷市電では方向別にイメージカラーが設定されており、西行が白、東行が緑、北行が赤、南行が青。方向幕の表示や電停などに使われている。
 24条1丁目、西行を示す白色のポールに降りる。ここは地下都市新本郷の西の端。当然西側は壁なので、野球場があるのは東側。厳密にいえば南東側。24条通り……いや1丁目通りか?1丁目通りを横断し、第二野球場へ向かう。
 それと前後して、南行を示す青のポールに電車が到着。中から出てきたのは青木さんだった。
「しゃっぽー」
「え?えっと……」
 青木さん、挨拶くらいしたら?
「え……あれ挨拶なの……?」
 しゃっぽーは遥流の挨拶だからな。
「……」
 なぜか顔を俯ける青木さん。しゃっぽーにいやな思い出でもあるのか?
「あ……いや…………えっと……………………」
 かれこれ5分くらい、青木さんはずっと顔を俯けていた。
 青いポールに電車がさらに2本到着したところで、遥が声を掛けた。
「青木さん!試合始まっちゃうよ!」
 若干下を向いたまま、歩き出す青木さん。
 入場口に着くと、先頭でチケット売り場に向かったのは青木さんだった。
「えっと……高校生3枚……お願いします……」
 そういうのは言えるのか。単純に遥を嫌っているのか、それとも本当に「しゃっぽー」にいやな思い出があるのか。
「その……ごめんなさい」
 よくわからないが、とりあえず、中に入ろうか。


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