青空坂上 〜卒業するまで、しゃっぽーしようね!〜
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17:中村千歳 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2017/12/04(月) 22:49:05.54 ID:LYe2U+Pd0
 [side-KOGAYA]

 上洲中学校前バス停。私が乗るのは市大経由川合津(かわいづ)駅行き、八幡坂下(はちまんさかした)行き、あるいは東本郷(ひがしほんごう)駅行き。岸田町(きしだちょう)経由の川合津駅行きと、松林(まつばやし)経由東本郷駅行きはスルーだな。
 エースチャンネルでたかはると会話しながら、バスを待っていた。

 バス停に立っているのは私だけ。
 1年前は、隣にもう一人いたんだけどな……。

 青木さくら。通称「さくらん」。
 上洲中学の同級生で、よく一緒に遊んでた、私の初めての友達。
 さくらんにとっても、私が唯一の友達だった。

 さくらんが私と同じ高校に行きたいと言って、二人で八幡高校に入学。
 毎日このバス停で待ち合わせして、一緒に登校していた。
 ……いや、登校するはずだった。

 実際には、一緒に登校したのは1日だけ。
 入学式の次の日から、さくらんは不登校になった。
 家に見舞いに行っても入れてくれなかった。
 そのままさくらんは、6月に八幡高校を退学。9月頃引っ越したらしいんだが、どこに行ったかは知らない。

 新本郷に行ったっていう噂もあるにはあるんだが……。

 そんなことを考えていたら、電話がかかってきた。
「もしもし、幸ヶ谷さんですか?」
 相手はキリカ、本名桐畑香織(きりばたけかおり)。
 八幡高校に入ってから知り合った、私の2人目の友達。
「そんなことはいいですから、時計を見てください」
 言われて腕時計を見る。
 8時35分。

 ……20分もこんなことを考えていたのか、私は。

 ちなみにこの20分の間に、川合津駅行きが3本、八幡坂下行きが2本到着していたのだが、なぜ私は気付かなかったのだ!
「そんなことは知りませんよ」
 まあとにかく、このままでは遅刻だ。というか絶対に遅刻だ。
 とりあえず次のバスで行くから、先行っといてくれ。
「私は既に到着しているのですが……」
 そうだな。キリカ真面目だから、遅刻なんかしないよな……。


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