青空坂上 〜卒業するまで、しゃっぽーしようね!〜
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12:中村千歳 ◆hsUAEn/JO/Q.[saga]
2017/12/04(月) 22:46:32.63 ID:LYe2U+Pd0
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 青木さんが入って最初の新友会を終え、翌週の月曜日。
 24条51丁目。副名称は中央合同庁舎前。
 西行の白いポールで電車を待っていると、北行の赤いポールから遥が走ってきた。
「しゃっぽー」
「おす」
 携帯を手に持ったまま。さてはお前、電車内でずっとエースチャンネル見てたろ。
「電車内だけじゃないよ、家出た時からずっと」
 余計駄目だろ。そのうち乗り過ごすぞ。
「大丈夫だよ200mだし」
 本当に大丈夫か?
「本当に大丈夫だよ!」

 エースチャンネルは、日本で最大手のSNS。遥は中学の頃に登録して以来、かなりの頻度で利用しているらしい。
 瑞穂とかいう友達とよくチャットしているらしいが、詳細は知らない。ハンドルネームは「瑞穂」なのだが、遥が勝手にミズホンという通称を付けてしまった。
 そういや、俺もなぜか「おおのん」って呼ばれてるし、自分のハンドルネームも「たかはる」だし。遥は通称を付けるのが好きだ。
 通称がないのは青木さんだけか。
「青木さんも通称決まったよ?」
 そうですか。
「さっき決まった。通称はサッキーです」
 ちなみに名前の由来は?
「下の名前がさくらちゃんだから、もじってサッキー。なんとなく語呂がいいからサッキーにした」
 さくらをどうもじったらサッキーになるのか謎だが、遥がサッキーと言うならサッキーなんだろう。



 第三高校は8階建て。1階に職員室や校長室など諸々、2階と3階が音楽室などの特別教室、4階から6階が普通教室、7階に格技場、8階に体育館、屋上がグラウンドという構成になっている。
 エレベーターで4階へ上り、1年1組の教室のドアを開ける。
「しゃっぽー」
 とりあえず全体に向けて挨拶する遥。応答はない。
「サッキーもしゃっぽー」
「……」
 多分自分のことだと気付かなかったんだろう。青木さんは無反応。
「あ、青木さんしゃっぽー」
「あ……おはよう……」
 改めて挨拶をする。今度は反応があった。
「青木さん、サッキーって呼んでいい?」
「え……なんで……?」
「だって青木さんだと友達感ないじゃんww」
 友達感って何だ。
「うん……まあ……別にいいけど……」
 本人の同意が取れたところで、チャイムが鳴った。


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