2: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:17:46.85 ID:hv2zMcBs0
1
学校帰り。喜多見柚は駅前の雑貨屋にいた。
ピンバッジを物色し、ぬいぐるみを漁り、「ふむ」とうなって店を出た。目ぼしいものはあったが手持無沙汰で諦めた。来週のお小遣い日を待たなければいけない。
3: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:18:15.15 ID:hv2zMcBs0
せっかく面白そうなことやってるのに。
撮影現場がよく見えないことが柚は不満だった。
絶対に見てやると意気込んだ。
4: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:18:42.70 ID:hv2zMcBs0
声をかけてきたのはスーツの男だった。
柚は一瞬怯んだ。
アヤシそうな人だと訝った。
5: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:19:17.95 ID:hv2zMcBs0
柚の表情がパッと明るくなった。
近くで観れる。
楽しそうだ。
6: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:19:45.34 ID:hv2zMcBs0
柚はパーカーを選んで着た。
撮影はすぐに始まった。
数人の俳優が街中で喧嘩をする場面で、柚はそれを驚いた表情で眺めるだけの役だった。
7: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:20:15.29 ID:hv2zMcBs0
柚は満足していた。
通行人A役になったことは友達に自慢できると思った。
映画が公開したらバドミントン部のみんなと行き、柚の姿を見てもらおう。
8: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:20:42.19 ID:hv2zMcBs0
「キミさ。アイドルは興味ある?」
「何の話?」
「俺。346プロダクションって事務所でプロデューサーやってるんだ」
9: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:21:40.18 ID:hv2zMcBs0
2
1週間後、柚は契約書にサインをした。男は柚の担当になった。
「プロデューサーサン。改めてよろしくね」
10: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:22:08.17 ID:hv2zMcBs0
「厳しいのはともかく、辛いのは好きじゃないんだけどナー」
「その2つって同じじゃないの?」
「全然違うよ」
11: ◆hAKnaa5i0.[saga]
2017/12/02(土) 01:22:38.90 ID:hv2zMcBs0
「柚は辛いことを我慢し続けることが苦手だからね。辛い時に頑張っても続かないもん」
「…」
「あ、勘違いしないで。すぐにレッスンを投げ出したりするって意味じゃないよ」
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