勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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61: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/01/08(月) 22:22:43.76 ID:EImb6bLy0
時計回りに町を巡り、視察団は大広場に辿り着いた。
演説台の周りは英雄の言葉を聞きにきた民衆と護衛のための守兵でぎっしり埋まっていた。
魔女と勇者も聴衆の中に交じっている。
白い魔女帽が目印だ。

国王「王都アルマリクから険しい山を越え、遥々この地まで足を運んできた」

挨拶が始まった。最初にアルマリクの王、側近。次に先代勇者、最期に軍師という順番である。
軍師は告発の機会が与えられたことを感謝した。

先代勇者「こんにちは。私は魔王を倒し、陛下より爵位を賜ってから精進に精進を重ね……」

先代勇者の挨拶が終わった。

軍師「……最初に、神に懺悔をする時間を頂きたい」

先代勇者が身じろぎするのが、視界の端に映った。無難な挨拶をするつもりだったのだ。懺悔と来ては驚くのも無理もない。

軍師「陛下、側近殿、ならびに広場に集まって下さった町民の皆様方。私がこれから語るのは、いずれも真実です。紛れもない事実」

ハーレムを作り、妾一人当たりに数千枚の金貨を与えていたこと。
異常なまでの課税を繰り返していたこと。
麻薬取引をしていたこと。
民の畑を取り上げ、自分専用の劇場を建設していたこと。
軍師は先代勇者の罪を列挙していった。全て打ち明けるには、夕方までかかるだろう。
それほどの過ちを、先代勇者は犯したのだ。

先代勇者「神聖な場であるぞ、軍師!」

先代勇者が立ち上がった。顔に引きつった笑みを貼り付け、用意された玉座に座る国王へ目を遣る。

先代勇者「証拠もなしに妄言を吐くでない。陛下、この者は感極まっておかしくなっているのです。どうか、お気になさらぬよう」

側近「感極まって主人の罪を告発する臣下がどこにいる。軍師殿、麻薬取引の証拠を提示せよ」

軍師「承知しました。おい、あれを持ってこい」

軍師は部下に命じて、ガンジャの入った箱を二つ運ばせた。


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