勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
1- 20
4: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/01(金) 09:41:30.36 ID:xQeGs0RqO
ーバルフの街ー

妹「……っていう導入はどうかな? この後、木こりのお嫁さんが陵辱されながらも女の喜びに目覚めていくシーンなんだけど」

兄「いいと思うぜ。官能小説の書き出しにしては、ちょいと固すぎる感じもするがな」

妹「増税は本当の話だよ。先代勇者様が魔王を倒してから、急に税を上げ始めたんだ。そのせいで、街のみんなが苦しんでる」

兄「世に問う作品か。あんま過激な描写を入れると検閲に引っかかんぞ」

妹「大丈夫。いざとなったら、魔法学校の魔女先生に頼れば良いんだもんね」

妹は官能小説という名目で、王の政治を批判する風刺小説を書いていた。まだ十に満たない歳ながら、はっきりと国の問題を見据えている。
加えて難しい熟語や官能表現は、全て魔女先生から教えてもらったのだという。妹が尊敬する魔女先生とはどのような人間か、兄は実際に会って話をしてみたくなった。

妹「あ、お兄ちゃん。外に出るなら、魔女先生にこの原稿を届けてくれない?」

兄「はいはい」

妹「ごめん、あと昼ごはんも買ってきて。いつものベーコンレタスサンドイッチ。トッピングはブラックペッパーがいいな」

兄「了解。ちょっと待ってな」

虫喰いだらけの扉を開くと、陽の光が全身を優しく包み込んだ。石畳の街道を行き交う人々。その両側に並び立つ露店。饅頭を蒸す時の炊煙が雲ひとつない青空にたなびいている。
一見すると、長閑な田舎町のように思える。しかし、水面下で事は進んでいる。亡国への秒読みが始まっている。
兄は魔法学校への道を急いだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
256Res/223.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice