33: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/20(水) 17:38:35.35 ID:zPAwmRea0
軍師は原稿を手に取り、流し読みした。
行き過ぎた徴税、軍と貴族の癒着、各地で横行している麻薬の密売。
なるほどと思わせる内容だが、それだけに稚拙な官能表現が目立ってしまう。
軍師「国の現状を痛烈に風刺したつもりなのだろうが、心に響くものはないな」
コンコン、と軽く扉をノックする音が聞こえた。
軍師「今度は誰だ」
入ってきたのは、茶色い髪を後ろに束ねた少女だった。
魔女の付き添いで訪れた少女だ。
太ももが見えるほど短いスカートに、軍師は眉をひそめた。
派手な服装の輩は大抵、ロクな女じゃない。何かしらの災厄を持ち込んでくる。
軍師(私の直感が外れたことはない。面倒事は御免こうむりたいものよ)
間諜「執務中に失礼します。今日から薬舗で働くことになりました、薬師と申します」
軍師「薬師? お前は薬を扱うのか」
間諜「主に漢方などを。東の大唐国に知り合いがいまして、調合について教えてもらったのです」
軍師「ひとつ、素朴な疑問があるのだが。お前が頭につけている魔道具、たしか……」
間諜「ヘッドフォンです」
軍師「そう、それだ。薬師に聴力を増大させる魔道具は必要なのか? 別にいらないだろう」
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