191: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/05/01(火) 01:12:26.72 ID:nkQwmkls0
間諜「どうかしました?」
勇者「いや、なんでもない」
間諜「ちょっと、変なこと考えてたでしょ! 隠しっこなしです。言わないとご飯食べさせてあげません」
勇者「飯を人質に取るなんて卑怯じゃないか。それでも勇者軍の間諜かよ」
間諜「逆に卑怯じゃないと間諜なんてやってられません!」
勇者「分かった分かった、答えるよ。なんだか、お前が生き生きしていてさ」
間諜「へ……?」
勇者「俺なんかより、眩しいほど輝いている。思わず見惚れたよ。それだけだ。他に言いたいことはない」
間諜「じょ、冗談よしてください。わ、私なんか褒めても、別に何も出やしませんからね」
間諜「それに私、薄汚れた仕事で食べてきた人間ですし、魔女さんの方が私よりも数倍……」
勇者「俺は立派な仕事だと思う。見えない所で命を張って、不安定な勇者軍をずっと支えてくれた。間諜がいなかったら、俺はバルフを拠点にすることすらできなかったかもしれない」
勇者「ありがとう、間諜。心の底から感謝している」
彼女の目が大きく見開かれた。
頬をほんのり紅く染め、勇者の視線から逃げるようにうつむく。
間諜「お世辞ばっかり……」
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