186: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/04/20(金) 01:33:06.55 ID:P0ewiKag0
間諜「暗い話はここまでにして」
間諜は窓に鍵をかけた後、サッとカーテンを閉めた。
間諜「これでやっと、二人きりになれましたね」
彼女の妖艶な微笑みに勇者の胸が高鳴る。
二人きりで何をするつもりなのか。
わざわざカーテンを閉める必要はあるのか。
間諜「夕飯、作りに来たんですよ。私の勇者さんが元気になるよう、腕によりをかけちゃいます!」
彼女は野菜と肉の入った布袋を卓の上に置いた。
勇者「なんだ、料理か」
間諜「むー、どうしてそんな露骨に嫌そうな顔するんですか! 私が作るんですよ? 流石に一流の料理人には化けられませんけど……普通の人より美味しいご飯は作れるんですから!」
勇者「ごめん、俺が勘違いしてただけなんだ。楽しみにしてるぜ」
間諜「じゃあ台所、ちょっとお借りしますね!」
夕飯を作るだけなら、なおさら窓やカーテンを閉める必要はない。
勇者は気になったことを彼女に聞いてみた。
勇者「バルフにも王国軍の諜報部隊が紛れているの?」
包丁で人参を細切りにしながら、間諜が答える。
間諜「はい。猜疑心の深い国王は、ほとんどの町に諜報部隊を送り込んでいます。叛乱の芽を摘むためですね。今回の件で、以前よりも多くの『偽町民』がバルフに潜伏するようになったはずです」
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