勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
1- 20
176: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/04/18(水) 22:59:31.45 ID:9B6rFOCH0
王子と白騎士は互いに一言も喋らず、厨房へ繋がる廊下を歩いていた。
あの後、王子は白騎士と侍従二人を連れて逃げるように作業場を立ち去ったのだ。
奴隷の心は、奴隷の身分に落とされなければ分からない。
王権の庇護下にある王子に、理解できるはずがなかった。

ここで民に歩み寄るか、民を遠ざけて遊び惚けるか。分かれ目だった。
現国王は遊び惚けながらも裏で世界各地に諜報部隊を送り、叛徒や賊の情報を受け取って分析している。
大唐国との交渉もまずまずだ。

しかし、この王子には父のような狡猾さがなく、機転も利かない。
遊びに耽れば、史上最低の愚王が誕生するのは火を見るよりも明らかだ。

白騎士「選択次第では、私は殿下に手をかけねばなりません。腐り果てた王家を正すために。私は王族に仕えているのではない。アルマリクという都市、ひいては国に仕えているのです」

そう思ったものの、口には出さなかった。
前を歩く王子の赤い髪が、初夏の乾いた風になびいていく。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
256Res/223.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice