171: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/03/21(水) 23:21:34.01 ID:xVgsWj+n0
白騎士と二人の侍従を連れ、王子は工事現場を訪れた。
サイコロ型のラピズラズリが、隙間なくぎっしりと積まれている。
ゆくゆくは王族の別荘となる場所だ。
蒸し暑い真夏の夜、清涼感の溢れる別荘で優雅なひとときを過ごすつもりなのである。
別荘を建てることに特段、政治的な意味はない。
せいぜい大唐国の来賓をもてなす程度であろうか。
いずれにせよ、金持ちの道楽に変わりない。
その道楽のため、奴隷達は滑りやすい崖でラピズラズリを掘り出し、研磨し、加工し、建築材料として積み上げているのだった。
彼らの瞳に、光はなかった。
白騎士「奴隷のほとんどは他国の捕虜や最貧層です。なるべくしてなった者。殿下の試みが心に響くとは思えませんが」
王子「黙って眺めているより、よっぽどマシだ。白騎士殿も手伝ってくれよ」
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