167: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/03/17(土) 20:29:20.20 ID:qbzPlNgx0
夕方、王子の部屋に二人の侍従が呼び出された。
扉を開けると、部屋の隅にいくつか大きな袋が寄せてあった。
不審に思った侍従たちは、袋を外側からべたべた触ってみた。
侍従A「何かがパンッパンに詰まっているな」
侍従B「ちょっとだけ、紐を解いて中を覗いてみろよ。なに、殿下は留守だ。それっぽく結びなおしておけばいい」
侍従Aが恐る恐る覗きこんでみると
侍従A「饅頭だ。拳大のデケェ饅頭がめちゃくちゃ入ってる」
侍従B「えッ、なんで?」
侍従A「もしかしたら、毒が盛ってあるんじゃないか? 陛下も含めた自分の関係者をみんな抹殺して……」
王子「残念だけど、不正解」
二人の侍従は肩をビクリと震わせ、後ろを振り向いた。
麻の服を着た王子が、夕陽の中で静かに微笑んでいる。
その微笑みが、余計二人にいらぬ想像をさせた。
王子「やぁ、来てくれてどうもありがと……」
侍従A「許可なく覗いてしまい、申し訳ございませんでした!」
侍従B「ほんの出来心で……どうか、お許しを!」
王子「まぁまぁ落ち着いて。なら、袋の中身は知ってるね? 今回君達に頼みたい仕事はそれなんだよ」
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