160: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/03/12(月) 17:56:26.21 ID:EIDsY1AH0
国王率いる視察団が、アルマリクの門をくぐった。
周りを親衛隊に固められ、宮殿へ向かって馬を進める。
王の斜め後ろに控えているのは、側近だろう。
頭より大きいターバンが人目をひく。
側近「テルメズ兵が全滅したとの情報が入りました」
国王「なに、全滅だと」
側近「はい。軍師が策を練り、新生勇者が兵を鼓舞し、乳牛にまたがった若い将校が糞を巻き散らしながら奮戦した、とのことで……」
国王「最後の男が気になるが……思ったより早く壊滅したのう。まぁ、軍師が相手ではやむを得まいか」
側近「無駄な扇動はおやめください。町がひとつ機能停止しましたよ。テルメズの男子を全員、戦に駆り出したせいで」
国王「新生勇者の悪い噂を信じたのはテルメズの民じゃぞ。愚民が勝手に攻め込んで勝手に自爆しただけじゃ。我らに非はない」
側近「悪い噂を自国に流布させること自体、罪なのですよ」
国王「フン。寒村が何個潰れようが、知った話ではないな。後の処理は貴様に任せる」
宮殿に着いたところで、白騎士と王子が現れた。
白騎士「陛下、ご無事なようで何よりでございます」
国王「おう、白騎士か。余が留守の間、ご苦労であった」
白騎士「殿下も陛下の帰還を心待ちにされておりました」
後ろから、王子がおずおずと顔を覗かせる。
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