【ポケモン】キミの知らない物語【化物語】
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62: ◆3s4IbQehY.[saga]
2017/12/10(日) 21:09:34.66 ID:2/dn233N0
―005―


後日談、というか今回のオチ。
怪異に憑かれていた時間にして、12時間程眠っていたミカンさんの回復は速かった。
エナジードレインでもされてないかと思った私の心配は杞憂に終わる。
それよりも逆に、休息を取れていなかったミカンさんには良い休みとなったようで、
身だしなみや食事などをしてすぐ、ジムの方へと顔を出しに行った。
コンディションは最高、という事で早速コトネさんはジム戦へ挑戦して行った。
そして、その結果なのだが。

「……か、ったー!!」
「コトネさん、お見事でした…」

コトネさんの勝利となった。
最初から最後まで、一進一退の攻防が続き、最終的に勝利はコトネさんが勝ち取った。

「受け取ってください アサギジムのバッジ、スチールバッジです」
「うん!ミカンちゃん、バトルすっごく楽しかった!ありがとう」
「いえいえ、あたしも久しぶりにここまで全力を出して戦った気がします」

負けた彼女が見せた表情には悔しさなどなく、とても清々しそうな表情だった。
もしかしたら、怪異は彼女の罪悪感と一緒に疲労まで持っていったかもしれない。
そして、それから三日後の事。

「えええ!?もうリリィちゃん行っちゃうの?」
「はい、私は私で、色々な所を周ってみたいと思いますし」
「うぅう…このまま一緒に旅できたりしないかなぁって思ったのに」
「あはは、それは少し言い過ぎじゃないかなコトネちゃん」
「それでリリィさんは今度はどこへ行かれるんですか?」
「さぁ、分かりません 別の地方に、なんて事もあるかもしれません」
「そうですか…でしたら、これを」

ミカンさんから渡されたのは、一枚の船のチケットだった。

「これは?」
「ここから少し離れた“ホウエン地方”へ行ける船のチケットです」
「えっ、ででもなんでミカンさんがこれを…」
「実は前までアサギに住んでた私の知り合いが最近ホウエンへ引っ越して」
「是非来てほしいと先日ホウエン行きのチケットを貰ったんですが二枚あって」
「あたしは一緒に行く知り合いがいなくて、なのでリリィさんに」
「いいんですか?」
「はい、チケットはもう一枚あるので気にしなくていいですよ」

そう言われて、私はもう一度受け取ったチケットを見る。
そこには確かに【タイドリップ号 ミナモシティ行き】と書かれていた。

「もし、ホウエンに行く事になったら是非使ってください」
「ありがとうございます、ところでその知り合いというのは?」
「今は同業者なんです、私の名前を言えばすぐ気付いてくれると思います」

どうやら、ホウエンにいるという知り合いもジムリーダーとのこと。
是非とも会ってみたいと思う反面、また厄介事にでもならないかが心配である。

「分かりました、もし出会ったらミカンさんの事を話しておきます」
「はい、あっ怪異の事は……」
「大丈夫です、知る人でない限り話したりしませんから」
「クチクチ!」
「ですよね、ふふっ」
「パルゥ!」
「…それじゃあ皆さん、短い間でしたが色々ご迷惑おかけしました」
「そんな改まんないでよ!また会おうねリリィちゃん!」
「怪異の事を僕なりに調べてみる、進展があったら連絡しよう」
「はい」
「リリィさん、今回はありがとうございました なんとお礼したらいいか…」
「気にしないで下さい、それではまた」

アサギシティから出る道路で三人とポケモン達に見送られて私は街を出た。

「………怪異、か」

今回のジョウトの事件を鑑みると、他の地方でも怪異が活発化してるかもしれない。
あくまで今回が特殊なだけという可能性が無きにしも非ずだが、見過ごせない。
それに。

「…君の事も、どうにかしなくちゃいけないからね」

アローラからちゃっかり私の所へついて来てしまった蝸牛。
彼、もしくは彼女は本来アローラの地縛霊。成仏する方法を探したいものだが。
そんな考えを巡らせる私だが、今もその人物の姿は見えないままだ。

「とりあえず、どこか向かいますか」

私は次なる目的地を考えながら、太陽が照る道路を呑気に歩いていく。


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