【ポケモン】キミの知らない物語【化物語】
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56: ◆3s4IbQehY.[saga]
2017/12/10(日) 15:44:46.51 ID:2/dn233N0
―003―


夢限抱羊。
夢の中限りの抱擁を与える羊、と書いて夢限抱羊。
コトネさんとウツギ博士は“羊”という動物の事をまったく理解していない。
けれど、私は一度、幼少の頃に姉と共に母親から一度その名を聞いた事がある。
なんでも羊は大昔のイッシュやカロスに位置する地域で安眠の象徴とされていた。
その名前を唱えていると徐々に眠気が出て、最終的に眠りにつく、というもの。
もっとも、その時の私は羊が全長数十メートルの巨大な動物とは思わなかったが。

「むげん……ほうよう?」
『そう、夢限抱羊 憑いた人間に終わる事のない夢を見せ続ける怪異だ』
『少しおとぎ話をしようか、ジョウトに伝わる物語でメリープに関するこんな話がある』

そうだ、確か母も羊のことと共にそのような物語を聞かせてくれた。

『むかしむかし、ある所に一匹のメリープがいた』
『そのメリープの元には罪を犯したと嘆くポケモンが訪れた』
『一体、その発端はなんだったのかは分からないが、その数は星の数ほどもいた』
『何気ない、諍いや争いを起こしたというポケモンがいた』
『また、誰かを死なせてしまいその罪に苦しみ続けるポケモンもいた』
『メリープはその全てを赦した、あなたの罪は赦されると』
『しかしある時、そのメリープは彼の考えを気に入らない者により死ぬ事になった』
『死ぬ直前、メリープは自分を信じ続けたポケモン達に言った』
『“私はただ無意味に死ぬのではない、罪の為の完全な生贄として死ぬのだ”』
『その後メリープは殺されたが、彼は死んだ三日後蘇り何処かへ消えた』
『………という部分で話は終わっている』

おとぎ話とは、どんなものでも残酷な何かが含まれた話が多い。
この話も例外ではない。そして、この話は多くの謎を残して話が結末を迎える。
なぜメリープは死後蘇ったのか。蘇ったメリープはどこへ消えたのか。
母親は当時、彼は人間の罪に対する贖いの為に世界を歩き始めたと言っていた。
だが、別の見方も考えられる。
その一つが、姉が唱えたい今回の事件の鍵ではないだろうか。

『この話は大昔存在した羊を象徴する何かの物語が、時の流れで少し変わったものだ』
「つまり、その話で出てくるメリープは羊のことである、と?」
『えぇ、まさしくその通り』
「だけどその話とさっきの終わる事のない夢を見せ続ける怪異がどう繋がるんですか?」
『まぁまぁそう急かさないの、これからちゃんと説明するから』

もしこのおとぎ話が夢限抱羊と関係あるなら、どういう事なのか。
ミカンさんに憑き、ミカンさんと眠り続けるあの羊は、一体なんなのか。


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